先日、地方の取材に向かうため、飛行機に乗った。
時刻は朝の7時20分。飛行機の窓から見下ろす景色は刻一刻と変化し、雪をかぶった山や朝靄に包まれた街がとても綺麗だった。その美しさから目を離すことができず、機内で軽く眠るつもりが結局窓の外ばかりを見て眠ることはなかった。空から見る街はすべてが小さく、その小さな街の小さな家のそれぞれに、人間が住んで生活をしているのが不思議でならない。空から見た景色はジオラマの世界のように小さくかわいらしい。
99号の第1特集は「平屋の暮らし」。
平屋に住むご家族の記事の中で「平屋は子どもが家のどこにいても気配を感じられる」とある。私は今、アパートの3Fにひとりで暮らしているのだが、たしかに、家族と暮らしていた頃は家族の生活音や声が聞こえると、自分の部屋に居たとしてもどこか安心感があったものだ。そんなあたたかい生活が平屋なら簡単にできるのかもしれない。
平屋からは、どっしりと地に座っているような度量の大きさというか包容力のようなものを感じる。きっと平屋の窓から見上げる景色は、飛行機から見下ろすジオラマの世界よりずっと広大だろう。
第2特集は「古民家の再生と創造」
塩見奈々江さんの連載「古物語り」から始まり、古材を用いて建てた美容室、和洋折衷の舘「三宜亭」、〈希少物件情報〉築120年の新潟県十日町市の古民家、を紹介しています。
新連載の「花に聴く」では春の生け花の写真が美しく、連載「日々、まめまめしく。」では春のお弁当&普段のお弁当“地味弁”を紹介。
表紙も春らしい青空が綺麗です。ぜひご一読ください!
担当:佐藤